"いい先回り"は子どもを弱くしない
こんにちは、学びスタジオの奧川悦弘です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
今回は、先回りについて書きます。
∴失敗させたくない
子どもに
失敗させたくない
と親なら誰でも思います。
だから、
子どもが失敗しないようにと、
"先回り"して、
ついつい手出し・口出しをしてしまいます。
そんな親の"先回り"が
増えているように思われます。
∴親の”先回り”が増えているわけ
現在は、
2つの点で親が”先回り”しやすい環境にあるといえます。
❶情報が多すぎる
社会の情報化が進み、
インターネットなどを通じて子育てに関する情報を知る機会が増えました。
それらのたくさんの情報に基づいて、
"先回りしてより良い子育てをしたい"と考える親が増えています。
❷少子化
また、
少子化です。
4人・5人子どもがいれば、
子どもひとりひとりの子育てに十分に手をかけられません。
今は、
子どもが1人か2人の家族がほとんどです。
「絶対に子育てを成功させなければならない」
という意識が強く持つ親が増えています。
∴子どもにはそれぞれペースがある
いっぱい"先回り"して育てても、
子どもは親の言うとおりに育ってくれません。
それは、
子ども自身の発達するのにペースにあり、
子どもひとりひとり、そのペースが違うからで、
その"先回り"を子どもに与える影響が違うからです。
∴"悪い先回り"とは
悪い影響を与える先回りとは、
子どもの力を奪ってしまう先回りのことです。
なぜ子どもの力が奪われるかというと、
"失敗"の経験を積ませないからです。
私たちは、
失敗から多くのことを学びます。
子どもたちも同じです。
なんでもかんでも親が先回りして手をかけてしまうと、
子どもは失敗することなく育つことになります。
親の先回りが、
失敗から学ぶという
学びのチャンスを子どもから奪ってしまうのです。
また、
親にあからさまに"手出し・口出し"されると、
子どもには子どもなりのプライドがあり、
そのプライドをくじくことになります。
それが、
親に反発し、
やろうとしていたことを結局投げ出してしまうことにもなりかねません。
∴失敗と心のバランス
ただ、
子どもに失敗をさせることが重要だと言っても、
そのバランスは大切です。
たとえば、
10回挑戦し9回失敗するようなことになれば、
子どもはチャレンジする勇気を失ってしまいます。
心が折れない程度の失敗にとどめてあげることが大切です。
∴"いい先回り"
そこで、
もう少し成功率を上げられるようなお膳立てをします。
しかも、
こっそりとお膳立てをします。
これが、
"いい先回り"です。
たとえば、
字の練習をするのに、
細くて長いえんぴつではなく、
持ちやすいように短くて太いえんぴつやクレヨンを用意する。
食器を洗うお手伝いをしてもらう時は、
けがをしないように破れなくて軽いプラスチックの食器を洗ってもらう……
それでうまくできたなら、
しっかりと褒めてあげます。
そのことが、
子どもの自己肯定感や、
自分に対する信頼を高めていきます。
∴まとめ。"いい先回り"は子どもを弱くしない
失敗させないように先回りすることは、
子どもを弱くするかもしれません。
失敗から学ぶことをたくさんあるからです。
しかし、
失敗はいい経験だからといって、
失敗ばかりさせるのも
心が折れ、失敗を恐れるようになります。
子どもの行動をしっかり観察し、
失敗と心のバランスをとって、
さりげなく”いい先回り”をしてあげましょう。