国語ができない子どもには、"聞く・話す"に戻ろう

こんにちは、三重県名張市の個別指導塾 学びスタジオ奥川悦弘です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。

今回は、国語ができないことについて書きます。

∴国語ができない理由

国語ができない理由の1つに、
"読み方"を知らないことがあげられます。

”実は子どもたちは教科書が読めていなかった"
というショッキングな現実があります。

それは、
高校生の半数が教科書の記述が理解できず、
中学卒業段階で約3割が表層的な読解もできないということでした。

∴読解をつける一般的な対策

読解力を身につけるために、
一般的には次のような3つの対策が取られます。

❶国語の問題集を解く

問題文の文章を読み、解答します。

その後で答え合わせをします。
解答に書かれてある解説を読んだり、解説をしてもらいます。

しかし、
そもそも文章がしっかり読めていない子どもは、
解説に書かれていることの意味が理解できません。

その結果、
「言いたいことは段落の最後に書いてある」とか「選択肢は消去法でやる」
といったテクニックで解くのとを覚えます。

❷読書をさせる

読書は、読解力のみならず、知識や語彙が増え、とてもよいことです。

しかし、
そもそも文章が読めない子に読書させること自体、酷なことです。

それは、
嫌いな食べ物を「食べなさい!」と言って無理やり口に入れているような状態です。

ますます、読書が嫌いになります。

❸語彙を増やす

語彙数が多ければそれだけ言葉の意味がわかるため、
読解ができる可能性は高くなると思われがちです。

しかし、
英単語を学んだだけでは英文が読解できないのと同じように、
語彙を知っていても、それを読解に活用できません。

∴"読む"ことが対策の中心に

これら3つの方法の問題点は、
いずれも"読む"ことを対策の中心にしまっていることにあります。

この「読む」という作業を子どもにやらせているうちは、
読解力がつきません。

なぜならば、
読解力がない子どもたちは、
"文章を字面だけで見ている"からです。

つまり、
見ているだけで実際は“読んで”ないのです。

∴見ているだけで実際は“読んで”ない

はたからは読んでいる姿が見えるだけですから。

実際は内容がよくわかっていないにもかからず、
その状態で次々と文章が展開されるのですから、
問題が解けるわけがありません。

文章という文章がこのような状態ですから、
他教科も同様に意味を理解していない可能性も高いのです。

∴読めない理由

では、どうすればよいでしょうか。

"読む"ことに問題があるのですから
、"読まなければよい"のです。

人間は、
生まれてから"聞く→話す→読む(書く)"という順でスキルを獲得してきました。

しかし、
学校では読む、書くという高度なスキルをいきなり要求されるため、
そのスキルが成熟していない場合、
本を読んでも理解できず、問題文を読んでも理解ができないのです。

これが、読めない理由です。

∴読解力は"読み聞かせ"から始める

そこで読解力をつけるための手段としては、
この最初の順からやることです。

具体的に
親による"読み聞かせ"をやります。

聞く、話すというスキルは、
読む、書くスキルに比べ、
赤ちゃんの頃から始まり、より発達しているからです。

∴読み聞かせのやり方

文章には、
説明文型と物語型の2つのパターンがありますが進め方は同じです。

❶読み聞かせをする

文章を親が読みます。
ちょうどイメージとしては「絵本の読み聞かせ」と同じ要領です。

❷途中、問いかけをする

「あなたならどうする?」
「どうしてこんなこと書いてあるのかな?」
という問いかけをします。

設問と関係ない文章内容の問いをすることで、
子どもは文章の内容に興味を持ちます。

❸設問になったらその都度解く

設問も子どもに問いかけるように親が読みます。

択肢の場合は、
選択肢も読み上げます。
そしてクイズ的に行います。
1回の問いかけでできなければヒントを言います。

記述の場合は、
一言で「語らせます」。
そして「もう少し説明するとどうなる?」と聞き、それをメモさせておきます。
そのメモを見ながら最終的に文を書くようにします。

∴対話形式すると、読解できる

自分で読むとわかりませんが、
人に読んでもらったり、人から問われると意味がわかり、
読解できるようになります。

∴子ども自身でできるように導く

そして最後に大切なことは、
これらの作業を子ども自身で、ひとりでできるように導くことです。

段階的に子どもが自分で読んで自分で答えられるように、
例えば、
第1段落は親が読み、
第2段落は子どもが自分で読む。
設問も、
交互に読みあげながら、解いていく

このように、
徐々に子ども自身にスライドさせていきます。

∴まとめ

"読めない"子どもに、"読む"ことを強要しても、無理があります。

"読み聞かせ"
"文意や設問の対話形式の問いかけ
という"聞く""話す"を重視したアプローチにより、"読む力"をつけましょう。

いわば、"口頭問答"をやることにより、
わからない文がわかるようになり、
解けなかった問題が解けるようになるはずです。

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