「自然体験」が与える、あまりに大きな影響

こんにちは、学びスタジオの奥川悦弘です。
今日は大晦日、2023年の最後の日です。

今日は、子どもと自然について書きます

現在の子どもは、
自然と接する機会がどんどん減少しています。
そのことは子どもにどのような影響を及ぼすのでしょうか。

∴自然は人間の苗床

幼児や小学生の時期は、
知識や知恵を生み出す種子を育む土壌を耕す時期だと思います。

そして、
子どもの時から自然とのふれあいの機会を多く持つことによって、
子どものみずみずしい感受性や五官を刺激することができます。

いわは、
「自然は人間の苗床」です。

自然とふれあうことは、
子どもたちに生涯消えることのない
「神秘さや不思議さに目を見はる感性」を持ち続けさせることになります。

∴いい種は、いい土壌から育まれる

子どもたちが出会う事実ひとつひとつが、
やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、
さまざまな情緒や豊かな感受性は、
この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。

だから、
子ども時代は、
この土壌を耕すときです。

∴人工的なものに夢中になる解毒剤 にもなる

また、
自然が多少の自然破壊に会っても、
自然の力で元に戻そうとする力(自然治癒力)を持っています。

それと同じように、
自然と十分にふれあい、
育てられたさまざまな情緒や豊かな感受性は、
やがて大人になると経験する
理不尽さ、倦怠感、幻滅、
自然という力の源泉から遠ざかること、
つまらない人工的なものに夢中になること
などに対する解毒剤になります。

∴「外なる自然」「内なる自然」破壊

子どもから大人まで自然の豊かな恵みを享受する自然とのふれあいは、
生態系の一部である人間が自然との共生への理解を深めていく基本的な行動です。

しかし今、
身近な自然環境が消失し、
人工環境が増えるにつれて、
交通公害や水質汚濁、近隣騒音といった
いわゆる都市生活型公害問題や地球環境問題が深刻化する
「外なる自然」破壊が進んでいます。

さらに、
人間が本来もっている感受性や五感の劣化、
人間関係や対人関係のつまづきによるいじめ問題の拡大、
孤独への不安など、
「内なる自然」破壊が起きてきています。

例えば、
近年の子どもに共通する性格傾向として、
いじめの現場を見ていても何も出来ずに同調していじめ側に回ってしまったり、
自己中心的で、
パニックに陥りやすく、
粗暴になってきています。

この背景には、
自律神経の調整の乱れや
大脳の活動水準の低下などが指摘されています。

∴「体験の力」が育むもの

乳幼児期に母親と過ごして愛情を注がれる体験、
あるいは友だちと群れて遊びの体験により
コミュニケーション能力や人との関係によるストレスを回避することを学び、
癒しの基本であるセロトニンという脳の分泌機能が高まります。

子どもの脳の感受性期の高い幼児期から10歳頃までに
自然に触れさせる体験を多くもさせる必要があります。

自然体験を通して、
自尊感情、
共生感、
意欲・関心、
規範意識、
人間関係能力が育まれます。

幼少期から中学生期までの体験が多い高校生ほど
思いやり、やる気、人間関係能力等の資質・能力が高まります。

小学校低学年までは
友だちや動植物とのかかわりの体験が、
小学校高学年から中学生までは
地域活動、家族行事、家事手伝い、自然にふれあう体験が
「体験の力」として大切です。

また
「豊かな自然体験」は、
ことばを豊かにし、
想像力を高めていきます。

体験の豊かな子どもの文章は、
生き生きとした表現力で、
語彙も豊富で、
コミュニケーション能力が高くなります。

豊かな言語能力は、
自分の気持ちを他者に伝えたり、
人の気持ちを想像する力になります。

∴自然体験は「サプリメント」として与えられない

幼児期から草花や小さな生き物に触れるという自然体験は
本来人間がもっている五感(官)を刺激し、
好奇心をはぐくみ、
感動を知り、
豊かな感受性の発達をうながす基本的な要素です。

生きものと直接触れるなどの自然とのかかわることにより
子どもたちはさまざまなインスピレーションを感じていきます。

子ども時代の自然体験の中で受けるの驚嘆は、
自然と調和した環境のつながりを
言葉の上ではなく、イメージとして身体的に獲得していくということです。

そうした基盤により
自然の変化や状況を読み取る力をつけ、
その上に生活体験や社会体験を積み重ねていくことにより、
自然界のさまざまな現象に対する興味・関心を喚起させ、
「なぜ」「どうして」という疑問や想像力を働かせて、
創造性を発揮していきます。

子どもにとって「自然にふれる」ということは、
“サプリメント”として短期的に自然体験をさせることではなく、
子どもの「内なる自然」を豊かにすることです。

つまり、
太陽、水、土、泥、緑などにふれることや、
小さな昆虫の命に自分の命を重ねたりして、
多種多様な生命とのつながりを実感していくことです。

∴まとめ

子どもにとって、
「自然にふれる」ということは、
子どものみずみずしい感受性や五官を刺激して、
感性を磨いていくことです。
そして、これから出会う事実ひとつひとつから
知識や知恵を生みだす基礎となります。
また、大人になって受ける様々なストレスの解毒剤になります。

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