"書く力"を育てよう

こんにちは、三重県名張市の個別指導塾 学びスタジオの奧川悦弘です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。

今回は、書くことについて書きます。

∴書く力に発展段階がある

自分の言いたいことを、
文書にして正確に伝えることは、
難しいですね。

書く力は、
年齢に応じた発達段階があり、
それぞれの段階を経て、
ステップアップしていきます。

∴小学生で学んでほしい文章力

自分が目で見て体験したことを記録したり、
想像力を働かせて自分の頭の中で考えた物語を作り上げたりする力です。

❶小学生の低学年

小学生の低学年では、
日常的な出来事を紹介する力を身につけます。

たとえば、
夏休みのある一日の出来事を
「8月4日の日曜日に公園へケイトウの花を見に行きました。
それから、近所のレストランでご飯を食べました。ケイトウはきれいでした。」
という感じで、
複数の場面を、
接続詞を使って切り替えたり、
感想を加えたりして書くことです。

❷小学生の高学年

小学校も高学年では、
自分が体験していないテーマを想像して書くことを求められます。

たとえば
広島、長崎など、
厳しい戦禍に見舞われたはるか昔の時代まで思いを馳せることができるようになります。

自分から少し離れたテーマも
文章で書けるようになります。

∴中学生で学んでほしい文章力

見聞きしたことを紹介する紹介文・物語文から、
自分の頭で考えたことを説明する説明文が書けるようになります。

登場人物のいる、目に見える世界から、
登場人物のいない、言葉の世界になるわけです。

∴高校生で学んでほしい文章力

自分の考えをわかりやすく整理して読者に示す、
大学の論文につながる論説文の基礎も学びます。

さらにその中で、
「これは自分の主張である」
「これは他の人の意見の引用である」
と区別して書くことも意識する必要が出てきます。

∴文章が苦手なら、どの発達段階で躓いているかを見直す

"文章を書くのが苦手"という子どもは、
発達段階のどこでつまずいているのか見直してみると、
苦手が解消できると思います。

∴大学や社会に出てからも役に立つ文章力

❶大学で必要になるのが"アカデミック・ジャパニーズ"

大学は、論文の書き方を学ぶ場ででもあります。

そして学術的な文章には、論理的で正確であることが求められます。

アカデミック・ジャパニーズは、
論文を書くための、論理的で正確な日本語です。

自分の先入観や、偏ったものの見方や考え方から意見を言うのではなく、
アカデミックな文章では、
自分の固定観念を超えて、
自分が調べた資料やデータを根拠として、
一定のルールに基づいて、
自分の頭で考えて実証的に書くことが求められます。

大学では、
このように根拠に基づいて実証的に語ることを徹底的にトレーニングする場です。
それを形にしたものが、論文・レポートです。

❷社会人で必要になるのが"ビジネス・ジャパニーズ"

社会では、
論理的で正確なことも大事ですが、
それ以上にわかりやすく、スピード感を持って読めることが重要です。

そして、
具体的な読み手を想定して読み手がどれくらいの知識や理解力を持っているかを想像し、
その読み手に対してどれだけポイントをおさえて伝えられるかが重視されます。

たとえば、
社内での引継ぎや取引先との連絡といった、
仕事上のコミュニケーションは、
簡潔でわかりやすくまとまっている方が喜ばれます。

つまり、
このわかりやすくポイントを伝えられる力は、
社会人に、求められる能力です。

∴”一生役に立つ文章力”とは

一生役に立つ文章力をを身につけるとは、
このアカデミック・ジャパニーズとビジネス・ジャパニーズを使いこなせることです。

∴中高生が”書く力”を鍛えるためにできるポイント

書く力は、とにかく書かなければ鍛えられません。

そのため、
「書いてみたい」という動機づけが重要です。

まず「書いてみたい」という状況を作るためには、
❶”書きたくなるテーマを見つける”
❷”読んでほしい相手を見つける”という2つのポイントを押さえる必要があります。

❶”書きたくなるテーマを見つける”ために

文章のテーマは、
まず”私”に関わる身近な対象に設定するのがよいと考えます。

なぜなら、自分に興味のない人間はいないからです。
いかに”私”に身近なテーマを設定するかが重要です。

アカデミックな文章では”私は~”とは書きませんから、
最終的には”無私”のレベルに到達するのが目標になりますが、
文章力を鍛えるきっかけとして、
最初は”私”から始めて、
徐々に”私”から離れる抽象的なテーマに取り組むのがよいです。

❷「読んでほしい相手を見つける」

中高生ですと、クラスメイトや部活・塾などの仲間、先輩や後輩などが身近な相手がいいです。

明確な読み手がいると、
どう表現したら伝わりやすいかがイメージしやすくなるからです。

そうした身近な読み手への伝え方の工夫を積み重ねることで、
日常的なやりとりでも文章力は鍛えられていきます。

そして、
書きたいテーマと同様に、
”私”と身近な読み手から始めて、
だんだん”私”から離れていき、
読み手を増やしていくことを意識してみてください。

∴理解語彙と使用語彙

理解語彙とは、
文章を読んでいて、
辞書をひかなくても意味がわかる語彙です。

一方、
使用語彙とは、
自分の頭の中から取り出して、
頭の中に浮かんだ考えを適切に表現できる語彙です。

この2つは基本的に違います。

文章を書くために使用語彙を増やすことが大切です。

文章をたくさん読む人は、
理解語彙は豊富になりますが、
使用語彙は豊富になるとは限りません。

読書量と語彙力の関係は、
必ずしも比例するとは限らないことになります。

∴使用語彙を増やすためにできること

❶ジャンルを意識する

使用語彙を増やして表現力を高めるには、
ジャンルを意識することが大事です。


自分が書きたいジャンルのものを読むことです。

そうすれば、
自ずと使う害が増えていきます。

❷自分が書くことを前提として文章を読む

書くことを頭の中で常にシミュレーションしながら読むことができると、
理解語彙が使用語彙に少しずつ変わっていきます。

表現力を磨いて文章力を高めたいという時には、
積極的に書く場を持つことが必要です。

∴書いた文章は1人で推敲せず、より多くの人に読んでもらうことが大切

文章を書く時にいちばんよくないのは、
ひとりよがりの文章になってしまうことです。

文章を書くとき、
うまく書こうと思わず、
まずは自分の書きたいこと、
考えていることを書いてみてください。

慣れてきたら、
一歩進んで、
読み手が読みたいと思うことを書いてみましょう。

”書くこと”はコミュニケーションの一つです。

自分が書きたいと思っていることと、
読み手が読みたいと思っていることは常にせめぎ合いです。

ですから、
文章力を鍛えるには、
読み手の読みたいことに合わせて、
書き手の書きたいことを設計することが大事です。

"小論文が受験で必要だから"と義務として文章を書いても、
いきいきとしたものになりません。

∴まとめ。書く力を育てよう

書きたいテーマを見つけ、読んでほしい人を見つけることが

書く力を磨くことにつながります。

まず、自分のことから、徐々に自分から離れたこと
そして、目に見える世界から、徐々に言葉の世界へ
そうすると、書く内容を広がります。

そして、

論理的に、読み手の立場を考えて文章を組み立てることができるようになります。

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