音読は子どもの言語感覚を磨く

こんにちは、東大阪市瓢箪山にある個別指導塾 四谷学びスタジオ東大阪瓢箪山教室の塾長の奧川えつひろです。
読み方に、黙読と音読があります。
どちらも大切で、
時と場に応じて、両方を上手に使いこなせるようでなければなりません。
今回は、音読の大切さについ書きます。
❤︎なぜ音読力が重要か
文章を声に出すことで、
黙読では見えなかったものが確認できます。
●漢字が読めるか。
●つっかえないで読めるか。
●語群のまとまりとして読めるか。
●おかしな読み癖がないか。
●文の意味内容の切れや続きの区切りをはっきりさせて読めるか。
●地の文と会話文とを区別して読めるか。
●会話文は人物に気持ちになって読めるか。
●強調すべきところ、声量の変化、遅速の変化、転調の変化、間をあけるべきところなど、意識して読んでいるか。
つまり、
内容を理解して読んでいるか、そら読みをしていないか。
●場面の雰囲気をつかんで情感豊かに読んでいるか。
●張りのある声で、歯切れよい発音で読んでいるか。……
❤︎音読は真似読みできる
音読は、親や先生の音読と一緒に音読する真似読みができます。
耳で聞きながら、
声を出して読みながら、
読み方の練習ができます。
❤︎音読は読解の程度を表す
音読と読解とは緊密な関係があります。
音読すると、
黙読では読み落としていた内容が浮かび上がり、より深い解釈ができるようになります。
音声表現するには、
文章内容が十分に理解できていなければなりません。
だから、
理解できていない場合には、
スムーズには音声表現できません。
❤︎音読は音声解釈すること
"音声解釈"とは、
文章内容を音声で表現するということです。
声優になったつもりで、
「ここはこんな意味内容だから、もっと違った、こんな感じ(雰囲気、情感)の音声表現にするべきだ」と音声表現を追求していきます。
まさに"音声で解釈"していることになるわけです。
❤︎音読すると、集中して内容が把握できる
たとえば、
電車の車掌さんは発車するとき「前方よーし」と声に出し、指で進行方向を指示します。
これは、わざと声に出して自分の行動を統制し、自己確認をしながら安全運転をしようとしています。
言葉には行動を調整し、規制し、統制するはたらきがあり、
頭の中だけの言葉よりは、声に出すほうが、その効果がいっそう発揮されるのです。
声に出して本を読むと、
意識が集中して文章内容の把握ができるようになります。
音読した方が黙読よりも意識が集中し、
強制力を発揮して、
内容把握ができる効果があります。
音読は黙読と比べて神経をたくさん使います。
❤︎音読すると、黙読力が作られる
小学生に黙読の能力を身につけるには、
声に出しての音読練習を繰り返すことです。
声に出しての表情豊かな読みの声をが、
やがて心内化し、
黙読しているときでも
表情豊かな音を黙って脳中に瞬時に浮かべて読めるようになっていきます。
❤︎音読すると、言語表現能力が育つ
同じ文章個所を繰り返し音読練習していると、
いつのまにか暗唱してしまいます。
そして、
知らず知らずのうちに文章の中にある
語句、
言い回し、
文体、
文章構成の進め方などを
自分のものとし、
日常の言語生活の中で使すようになっていきます。
それが豊かな言語表現力につながっていきます。
❤︎まとめ。音読すると、言語感覚が育つ
音読練習を繰り返すと、
物語の世界に入り、
登場人物になったつもりで物語を感じられるようになります。
音読すると、
ことばの組み合わせのすばらしさ、
文のつながり具合やリズムのよさ
に気づきます。
すばらしい文章は、
声に出して思いを込めて読んでみたくなります。
日本語による言語表現美、言語感覚を、
音声でからだに響かせて感じようとします。
このように、
子どもたちに音読を通じて、
言語感覚を磨き、言語美を味わい、
美しい文章への憧れを抱く人間になってほしいと思います。