勉強中の子どもの頭の中で、何が起こってる?
こんにちは、三重県名張市の個別指導塾 学びスタジオの奥川悦弘です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
今回は、「勉強中の子どもの頭の中がどうなっているのか」について書きます。
自分の子どもが学んでいる時に、
頭の中で何が起こっているのかを見えたらいいですね。
∴同じ問題なのに、答えられない。
子どもが、
問題の類題を解いている時、
親から見ると、
「同じ問題」だから簡単と思っても、
子どもから見ると、
「同じ問題」には見えず、
全く答えることができないという場合があります。
なぜか、
それは「抽象化能力」に問題があります。
∴うさぎの抽象化
例えば、
うさぎのことを、
「耳が長くて、ぴょんぴょん飛び跳ね、鼻をピクピク動かす生物」というような抽象化ができず、
ただ「ふさふさしていて、4本の足で走り、ヒゲがある」と捉えてしまって、
うさぎか猫か犬か何かわからないでいるような感じです。
∴「抽象化能力」自体は、人間特有の「情報を統合して解釈する力」
スーパーコンピュータは、
1000万個の「具体」を暗記できても、
抽象化の確率は75%だそうです。
コンピュータは、
それぞれ「具体的」に別々に判断し暗記していきますので、
「抽象化能力」は得意ではありません。
われわれ人間は、
そんなにたくさん具体数を見なくても、
抽象化できます。
このように、
「抽象化能力」は、人間特有の「情報を統合して解釈する力」です。
∴発達段階にある子どもの頭は、コンピュータと同じ
子どもは、
「抽象化思考」を用いずに、
あたかもコンピュータのように
「問題を、別々のものとして大量に暗記して」いきます。
だから、
発展段階にある子どもは、
大量の問題を解くことをしなければ、
抽象化できないのです。
∴「地頭」がよいことと「抽象化能力」
この抽象化能力は、
一般的に「地頭」と言われるものと近い関係にあります。
ものごとを、
抽象化された知識と高度に関連づけて考えられることが、
地頭が強いということになります。
だから、
発達途上の小学生の子どもたちにとっては、
いかに「抽象化思考」ができるようになるかが、
直面している学びの世界なのです。
∴「抽象化能力」とは何か
「抽象化能力」とは、
「無駄な情報を省いて、その具体の問題に『ラベルづけ』を行う力」
「関係が弱い要素を無視して、関係が強い要素を抽出して、判断する力」
「共通している要素をくくっていく力」
です。
∴学ぶときに、抽象化能力は重要
「学ぶ」とき、
この「抽象化能力」は非常に重要になります。
「抽象化能力」が高ければ、
具体的な問題を解くだけで、
その問題で取り上げられているポイントを理解することができます。
逆に、
「抽象化能力」が低ければ、
非常にたくさんの問題を解かなければ、
なかなかポイントを理解することはできません。
更に、
記憶に関しても、
抽象化できると、
まとめて記憶することができますが、
抽象化できないと、
一問一問を別の問題として覚えるので、
忘れやすく、
復習の頻度や量も必然的に増やさなくてはならなくなります。
抽象化能力で、
学習効果が大きく変わってきます。
∴子どもの頭の中で「抽象化能力」を育てるために
子どもは、
生まれてから、
いろいろなことを学んでいきます。
最初は、
耳で聞き、目で見て、手で触り……
五感を使って、
具体的なことを学ぶ中で、
たくさんの同じ
たくさんの似ている
たくさんの違い
を体験して、
だんだんと抽象的なことを理解していきます。
体験がなく、
抽象的なことを説明しても、
子どもには理解できないということです。
∴まとめ。勉強中の子どもの頭の中で何が起こっている?
それは、抽象化!
大人にとって類題でも、
子どもにとって違う問題に映ることがあります。
それは「抽象化能力」が発展途上だからです。
たくさんの「具体」を体験して、
子どもが共通点に気づいて
初めて「抽象化」できるようになります。
そして、たくさんの「具体的」な体験が、「抽象化能力」を磨き、
地頭の強い子どもに育てる土台になります。