畑で子どもに自給力を⑥〜自然界とのバランスを保ちながら農園づくり

学びスタジオブログ

こんにちは、

学びスタジオ®︎代表の奧川えつひろです。

ご訪問いただき、ありがとうございます。

今回は、野菜の栄養と緑肥について書きます。

❤︎野菜の成長に必要な元素

野菜の成長には、17種類の元素が必要です。

野菜は、これらの元素を栄養素として空気・水・土などから細胞内に取り込み成長していきます。

❤︎17種類の元素

野菜が生きていくために必須元素は、

窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)、酸素(O)、水素(H)、炭素(C)カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、硫黄(S)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ほう素(B)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、塩素(Cl) 、ニッケル(Ni)

❤︎多量要素と微量要素

大量に必要とする栄養素を多量要素といい、

窒素・リン酸、・カリウムです。

この3つが、"肥料の三大栄養素"です。

必要量がごく微量の栄養素を微量要素といい、

鉄・マンガン・ホウ素・亜鉛・モリブデン・銅・塩素などです。

❤︎ 肥料の三大栄養素

❶窒素(N)

葉や茎の生育に必要不可欠な成分で

植物を大きく生長させます。

植物の細胞をつくるタンパク質や

光合成に欠かせない葉緑素の元になる元素です。

不足すると

葉に含まれているタンパク質や葉緑素が

旺盛に成長している株先に送られるため、

葉の色が薄く、葉が小さくなります。

過剰になると

葉や茎ばかりが成長して

花や実が付きにくくなります。

肥満化して植物が軟弱になるため、

病害虫の被害を受けやすくなってしまいます。

❷リン酸(P)

花や実の生育を活性化させる機能を持っています。

エネルギー代謝に影響を及ぼす重要な元素です。

不足すると

花の数が減り、開花や結実が遅れるなどの生長不良が発生することがあります。

過剰に与えると、

草丈が伸びないといった生育不良や

土壌病害を招くおそれがあります。

❸カリウム(K)

カリウムは植物体内の様々な化学反応を促進します。

葉で作られた炭水化物を根に送り、

根の張りを良くして発育を促す効果があるといわれています。

植物を丈夫にして、

害虫や病気と気候の変化への抵抗力を高める作用もあります。

不足すると、

下葉の先端や縁から葉が黄色くなって葉が枯れ始め、

果実の品質も低下します。

過剰になると、

カルシウムやマグネシウムが欠乏しやすくなる場合があります。

❤︎自然のサイクル

自然界では、

枯れた植物や落葉・動物の排泄物や死骸である有機物を

土の中の微生物が食べて

無機物に分解してくれます。

その無機物を栄養素として

植物が吸収するという

自然のサイクルがあります。

❤︎緑肥とは

緑肥とは、緑色植物を畑にに植えて、肥料にすることです。

そして、

緑肥に用いられる植物は"緑肥作物"といいます。

この緑肥作物を育てることで、

野菜に肥料を与えることなく、

自然のサイクル、バランスを保つことを促進します。

❤︎畑に見られる鮮やかなひまわりやレンゲも緑肥作物

①ひまわりの効果

ひまわりはキク科で、

主に土壌の菌根菌を増やして、

後に植える野菜のリン酸吸収を促します。

また、

根を深く張るために土壌の透水性改善効果もあります。

②レンゲの効果

土壌に窒素を固定させ、

菌根菌を増殖させて土壌にリン酸を供給します。

❤︎緑肥の6つの効果

❶草マルチ効果

野菜の株元に刈った緑肥を敷き重ねる(草マルチする)ことで、

草抑え、

乾燥防止、

地温上昇防止、

雨の跳ね返りによる病気予防ができ、

野菜が生育促進します。

❷堆肥効果

草マルチはやがて分解され、やがて土になります。

その過程で、

土着菌やミミズなどの分解者が、

草マルチを腐植化して栄養素になり、

土の団粒化を促進してくれる。

❸草抑え効果

生育が旺盛で、

通路や空いた場所も根を張り、

生えてくる雑草を抑えます。

花を咲いた時期に、株元15cm以上残して刈ることで、芝生のように新芽が更新されます。

❹バンカープランツ効果

バンカープランツと言って、

通路や菜園の周囲に緑肥作物を育てることで、

天敵(益虫)を呼び、

野菜の虫害が軽減することがてきます。

❺通路が固くならず、水たまりができにくい効果

通路の踏まないスペースで育てることで、

通路に根が張り、

雨の後でも水たまりがなくなり

土が固くならず、

水はけが良くなります。

❻畑の景観がよくなる

緑肥作物の鮮やかな緑色や可愛い花が

畑に広がり、

景観をよくしてくれます。

❤︎まとめ。畑で子どもに自給力を⑥〜自然界とのバランスを保ちながら農園づくり

自然のサイクルの中で

土の栄養は、

枯れた植物などが分解されて作られます。

ひまわりやレンゲ、クローバーなどの

緑肥作物を育てることで、

自然のバランスを整えることができます。

無肥料、無農薬で

安全、安心、栄養豊かな野菜を育てることができます。

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