中学受験するのは“いい大学”に入るため?
こんにちは、東大阪市瓢箪山にある個別指導塾 学びスタジオ東大阪瓢箪山教室の塾長の奧川えつひろです。
今回は、中学受験の意味と影響について、書きます。
❤︎高校別東大合格者ランキング
2021年の高校別東大合格者数ランキングを見ると、
1位 開成高校 114名
2位 灘高校 97名
3位 筑波大学附属駒場高校 89名
4位 麻布高校 86名
5位 聖光学院高校 79名
6位 西大和高校 76名
上位は私立・国立中高一貫校で占められています。
❤︎上位の中高一貫校に入れば難関大学に入りやすい?
と、世間一般に思われています。
しかし、
「中学受験をするのは“いい大学”に行くため」だけではありません。
❤︎中学から、6年間東大受験専門塾に通う
“いい大学”に行くことだけを目的にするならば、
もっとも効率のいい方法があります。
それは、
難関大学受験専門塾に通い、
そこで出される宿題をやるだけの生活を
6年間耐えることができれば、
かなりの確率で最難関大学に合格できるでしょう。
❤︎7年現象
ある中高一貫校で
東大にたくさんの合格者を出すと、
その翌年の中学入試では、
その学校に受験者が集中し、
倍率が高まり、
偏差値が上昇し、
実際に優秀な子どもたちが入学してきます。
彼らが卒業する6年後の東大合格者数が増え、
その翌年の中学入試での偏差値が上昇する。
7年ごとに起こる現象です。
❤︎12歳の時点で優秀な子どもを集めている
行っている教育は変わらないのに、
7年現象が起こるといくことは、
東大合格者を多く出すのは、
中学入学時点で、
どれだけたくさんの12歳の学業優秀な生徒が入学した人数に比例していることになります。
❤︎中学入学時点で、優秀な子は
仮に中学受験の結果、
最難関中学に合格できなくても、
もともと難関中高一貫校に合格するだけのポテンシャルのある子どもなら、
どんな学校に通うことになろうとも
そのポテンシャルを維持できれば、
6年後には東大に合格できる可能性はほとんど変わらないはずです。
❤︎上位の中高一貫校では、東大合格のための授業は行っていない
開成にせよ筑駒にせよ桜蔭にせよ灘にせよ、
大学受験に特化したカリキュラムは行っていません。
学校が、東大に合格させてくれるわけではないのです。
学校の先生は、
もちろん子どもたちの希望を叶えるためには全力サポートしてくれますが、
大学受験を目的にして教育しているわけではありません。
❤︎何のために中学受験するのか?
それは、各学校がもつ文化を継承するためです。
私立の学校には、
それぞれ独特の建学の精神、教育理念があります。
時代を経ても変わらない
「人としてどうあるべきか」という精神です。
「何ができるようになるか(to do)」ではなく
「どういう人になるべきか(to be)」
人としての生き方です。
生き方は、
知識ではなく態度なので、
言葉で教え込むことができません。
❤︎ 学校がもつ文化を肌で感じる
その生き方を実践する文化をもつ集団(学校)の中に身を置いて、
少しずつ学校の文化が体に染み込んできます。
たとえば、
同じ材料を使って同じように仕込んでも
抜群の風味に仕上がる醤油と
そうでない醤油があるように、
学校という学びの場にも
そこに6年間いるだけで、
独特の風味"におい"が加わります。
❤︎"におい“を求めて
"開成らしさ"とか"灘らしさ"というような独特の"におい"があります。
この"におい"を求めて中学受験はするということです。
❤︎公立の伝統高校
地域によっては、
公立の伝統校があります。
そのような公立高校がある地方においては、
中学受験をするよりも公立中学から名門校に進学して、
その名門校の"におい"を身につけることができますね。
❤︎まとめ。環境を人を作り、人が環境を作る
難関大学合格だけが目的なら、
6年間塾で対策するのが、
もっとも合理的です。
しかし、
中学から高校の時期は、
勉強だけではなく、
人間関係を築いたり
精神的にも大きく成長する時期です。
また、
東大に合格するポテンシャルをもつ子は、
そのポテンシャルを維持できれは、
どこの学校に行っても東大は合格できます。
それでも、
中学受験をして、
名門校で勉強するのは、
そこにしかない学校文化"におい"を身に染み込ませるためです。
名門校の持つ文化が人を育て、
人が、その文化を作り上げ継承する。
"環境が人を作り、そして、人が環境を作る"
そこに、中学受験の大切なもう一つの意味があります。