"時代遅れ"に見える学び方って、本当は大切です

こんにちは、三重県名張市の個別指導塾学びスタジオの奧川悦弘です。
今はエコの時代、
勉強もペーパーレス、
タブレットやパソコンを使ってやることが浸透しています。
しかし、
ディスプレイを見ているときと紙を見ているときでは、
脳の情報処理モードが異なるそうです。
今回は、"時代遅れ"の学び方について書きます。
∴ディスプレイと紙媒体で同じ情報を見せる実験の結果
脳のどの部分が活発に働いているかを測定すると、
紙媒体を見ているときのほうが、
ディスプレイを見ているときよりも、
脳の情報処理をつかさどる前頭前皮質が強く反応しました。
つまり、
紙媒体では情報をより深く理解できるということです。
∴ディスプレイはテレビを見るように見る
ディスプレイを見ていると、
脳が文字や映像をそのままインプットします。
テレビを見ているときのように、
情報を正誤関係なく受け入れるため、
文字情報の細かい部分を見分けにくのです。
∴紙に印刷して学習することは学習効率を上げる
一方、
紙を見ているときは、
脳が情報を自発的にチェックします。
情報に注意を向けやすくなるため、
文字の細部までしっかり確認できます。
だから、ディスプレイより、印刷して
紙上で見る方が、学習効果は高いということになります。
∴パソコンのメモと手書きのメモについての実験
次に、
パソコンのメモと手書きのメモについ実験です。
学生たちに普段通りメモをとるよう指示して授業を行いました。
授業後に、
その授業内容に関するテストを実施した結果、
パソコンでメモをしていた学生よりも、
手書きでメモをしていた学生のほうが
正答率は高いという結果が出ました。
パソコンより手書きのほうが、
知識の記憶と理解に適しているということです。
∴パソコンに打つとき、思考が分断られる
考えを整理するために表を作成するとき、
パソコンを使うと、
罫線を引いてレイアウトを考える"操作"が必要になります。
その操作をしているあいだに思考が分断されます。
∴紙にメモするとアイデアが整理しやすい
紙にメモをとる場合は、
紙には思いつくままに、
どこからでも書き込むことができ、
考えることに集中できます。
手書きでメモをとりながら、
内容を吟味し、
浮かんだアイデアや聞いた情報を、
自分の言葉でサッと手書きし、
思考の途中経過を書き残しておけば、
あとで思い出しやすく、
結果的に、
学習効率を高められます。
∴新聞を読むこと
今はインターネットのニュースを簡単に見ることができます。
新聞は"オールドメディア"になりました。
しかし、
新聞は情報を得るツールとしてとても優れている面があります。
それは、
新聞の"一覧性"です。
新聞には国内外のさまざまなニュースがまとめられ、
世間で何が起きているのかを、
ページをめくるごとに理解することが可能です。
一方、
インターネットのニュースサイトでは、
自分で見出しを選び、
クリックして読まなければなりません。
情報の重要度を判断するのに、
記事ずつ確認しなければならず手間がかかってしまいます。
さらに、
閲覧履歴や検索履歴にあわせて表示内容が変わるため、得られる情報に偏りやすいです。
新聞から、
「見出し」に目を通して
「見出し」を見て気になった記事の「リード(前文)」を読み、
「リード(前文)」を読んでさらに気になった記事は「本文」まで読むことができます。
新聞からは多面的な情報を得ることができまね。
∴会って学ぶことの大切さ
場の雰囲気は、
人の気持ちを左右します。
やる気になったり、やる気を無くしたり。
真剣に学ぶ子どもたちの中にいると、
自然と気が引き締まり、
やる気が出てきます。
また、
あるテーマや難問について、
意見や情報交換が自由にできますし、
他人の意見から沢山のヒントをもらえます。
∴思ったことが、その場ですぐに聞ける
先生への質問も気楽にできます。
勉強以外のことも相談しやすいです。
子どもが思ったことを言える雰囲気の中では、
学習においても、
最大の効果を発揮します。
∴まとめ。昔ながらが学び方が大切
映像授業は、
その内容がよいものであれば、
子どもにとって
何時でも見て学べ、
理解を助ける、
強力なツールになります。
しかし、
時には、
子どもの学力に応じて、
映像授業に頼ることなく、
自分で読み考えることも大切です。
「自分で読んで考えてごらん」と言えるのは、
子どもの近くで勉強を見ている先生です。
自分の力で読んで、
自分の力で考えて、
問題に答えて、
そして、
わからない時は、
そばにいる先生に聞く。
また、
同じ空間で学ぶ仲間から刺激をもらう。
この昔ながらの学び方が、
学力を身につけると同時に社会性を学ぶ
最も効果的な学び方ではないでしょうか。
環境問題やコスト削減のためにペーパーレスは、
大切なことですが、
紙を大事に利用して、
子どもの学力に生かすことが本当は大切な学び方です。