子育て一番のポイントは愛着形成

こんにちは、三重県名張市の個別指導塾 学びスタジオ塾長奥川悦弘です。
ご訪問いただき、ありがとうございまし。

今回は、愛着形成について書きます。

∴愛着行動(アタッチメント)とは、

小さな子どもは抱っこしてあげると安心しますね。

また、
何かあると抱っこを求めますね。

愛着行動とは、
子どもが、
不安になったり、怖くなったりした時に、
お母さんやお父さんにくっついて安心しようとする行動のことです。

∴特定の人に愛情を

そして、
愛着形成とは、
愛着行動を繰り返すうちに、
いつもお世話をしてくれる人と心が通じ合い、
その人への信頼を高め、
特定の人に特別な愛情を持つことです。
この特定の人のことを"安全基地"といいます。

その人がいれば安心できる、
自分は安全だと感じて心が安定する。

子どもにとって
そのような安全基地の存在がとても大切です。

∴お母さんは"安全基地"

お母さんやお父さんが、
安全基地となることで、
子どもは心が安定し、
生き生きと行動することができるのです。

愛着がしっかり形成されると、
安全基地となる人が目の前にいなくても、
心が安定し、
色々なことに興味を持っていくことができます。

∴なぜ愛着形成が大切か?

まず、
子どもにとって一番必要な力とはなんでしょうか。

それは、
"生きる力"です。

❤︎生きる力とは、自分の人生を幸せに生きていく力のこと

この”生きる力”は、
自分を大切にする力と
自分で考える力
この2つの力を育むことが大切です。

そして、
自分を大切することができるようになるには、
愛着の形成が重要です。

❤︎バーストラウマ

子どもは、
産まれる前は"子宮(子どもの宮殿)"という安全で安心な楽園の中で過ごしています。

しかし、
ある時突然激しい痛みとともにそこから切り離され(出産し)、
自分と母親が別の存在となってしまいます。

そして、
空気、強い光、音、匂い、感触、
全てが初めての世界に急に放り出されるのです。

すべての人が産まれる時に
このような大きなトラウマを抱えて産まれてくるというのが、
"バーストラウマ"です。

❤︎生まれた時の不安に包まれる

つまり、
人間は産まれたときから不安に包まれています。

不安に包まれた子どもはたくさん泣きます。

泣くとお母さんが優しく抱っこして、
色々お世話してくれて不安がなくなります。

また不安になると泣き、
お母さんに抱っこしてもらって安心する。

そうした愛着行動を繰り返すことで、
子どもの心は安定して不安がなくなっていきます。

こうして愛着が形成され、
心が安定すると、
色々なことに興味を持って行動するようになっていきます。

色々なことに興味を持って自分で遊ぶ中で色々なことを考え、
自分で考える力を手に入れていくのです。


∴愛着形成が心の成長の出発点

こんな風にして人の心は成長していきます。
愛着の形成は心の成長の出発点です。

お母さんやお父さんと愛着を形成することは、
人生の基盤になるとても大切なことなのです。

∴愛着行動(アタッチメント)の発達

次に、
愛着行動の発達段階について説明します。

❶第一段階(生後3ヶ月頃まで)

第一段階は、
まだ特定の人との愛着形成はできておらず、
アタッチメント欲求(不安になってくっつきたくなる)が出てくると、
誰にでも同じようにアタッチメント行動をします。

つまり、
誰にでも抱っこして欲しがります。

❷第二段階(生後3〜6ヶ月頃)

第二段階は、
少しずつ特定の人との愛着が形成されてきて、
人の顔を識別するようになってきます。

知らない人の顔をじっと見たり、
泣いたりするでしょう。

人見知りの始まりです。

見知りは愛着が順調に形成されているサインでもあるのです。

愛着がしっかり形成されてきていると言えます。

❸第三段階(生後6ヶ月ごろ〜2・3歳頃まで)

第三段階は、
大好きな人がしっかりわかり、
大好きな人の後追いをして泣いたりもします。

"8ヶ月不安"という
お母さんとべったりくっついていないと不安になってしまう時期もこの段階です。

安全基地ができると外の世界に遊びに行くことができるようになります。

少しずつ 少しずつ、
愛着が形成されていくに従って子どもの世界は広がっていくのです。

❹第四段階(3歳以降)

第四段階は、
安全基地となる大好きな人との愛着がしっかり形成されています。

安全基地となる人が目の前にいなくても、
心の中に絆がしっかり結ばれているので大丈夫になります。

「お母さんがぼくを大好きだから大丈夫」
というように安全基地となる人との絆を胸に、
色々なことへと挑戦していこうとします。

愛着形成という観点で言えば、
心が自立するのはこの頃です。

∴愛着がしっかり形成されないと

誰もがアタッチメント欲求を持って産まれてきます。

しかし、
その欲求が満たされず、
特定の人としっかり愛着が形成されないと、
大人なってからの人間関係に大きく影響が出ると言われています。

また、
愛着の形成は生きる力の土台となります。

大好きな人との絆を心の中に持つことができないと、
色々なことに興味を持って挑戦していくことができなくなってしまいます。

愛着がしっかり形成されないと、
その子の人生に大きく影響が出ます。

例えば、
ネグレクト(育児放棄)を受けた子は、
極端に愛着形成がうまくいかず、
愛着障害という状態になってしまいます。

愛着障害になると、
極端に人に触れることを拒絶したり、
無気力になって人と交流しようとしないようになったり、
反対に誰にでも無差別に愛着行動を求めたりするようになってしまいます。

∴ ストレンジ・シチュエーション実験の愛着形成の4つのパターン

ストレンジシチュエーション実験は、
愛着の形成についての有名な実験で、
お母さんと見知らぬ人に、
赤ちゃんがどのように反応するかの実験です。

この実験での赤ちゃんの反応から、
その赤ちゃんの愛着行動を4つのパターンに分類します。

❶安定型

お母さんがいなくなると素直に泣き、
再会すると思う存分甘えるのが安定型です。

日頃のお母さんの関わり方としては、
態度に一貫性があり赤ちゃんの欲求によく答えてくれます。

❷回避型

お母さんがいなくなってもあまり泣いたりせず、
再会しても素直に甘えたりはしません。

日頃のお赤さんの関わりとしては、
あまり赤ちゃんに関心を示してくれず、
愛着行動を求めても応えてくれないことが多いです。

そのため赤ちゃんはお母さんに求めすぎず、
最低限側にいられるように、
うっとうしがられないよう愛着欲求を制限します。

❸アンビバレント(両面)型

お母さんがいなくなるときには激しく泣きますが、
再会時には甘えながらもいなくなったことへの怒りをぶつけたりします。

日頃のお母さんの関わりとしては、
赤ちゃんの愛着欲求をしっかり受け止めてくれる時と、
そうでない時の差があり、
一貫性がありません。

要するに気まぐれです。

そのため、
安心できずお母さんの動向に敏感で、
必要以上に泣いたり甘えたりしてくっつこうとします。

❹無秩序・無方向型

一貫性のない行動をします。

泣いたり、泣かなかったり、
お母さんを怖がって見知らぬ人に親しげにしたりと、
行動が読み取りづらいです。

日頃のお母さんの関わりとしては、
赤ちゃんの安全基地としての役目を果たしていません。

むしろ、
反対に赤ちゃんを怖がらせる、
不安にさせるなどの行動が多いです。

本来は安全基地であるはずのお母さんが、
恐怖の対象であるため、
赤ちゃんは不安になってもお母さんに近づくことができず、
第三者から見て不思議な行動をします。

∴しっかりした愛着を形成する大切なこと

愛着の形成にはお母さんの敏感性と一貫性が大切です。

❶敏感性

敏感性とは、
子どもの気持ちを敏感にキャッチして、
必要なお世話をしてあげることです。

つまり、
子どもをよく見ているということです。

❷一貫性

一貫性とは、
子どもへの態度が常に安定しているということです。

子どもに、
優しくしたり、無視したりと
気まぐれではないということです。

∴天敵はスマホ

しっかりとした愛着を形成するには、
子どもをよく見て、
いつもしてほしい時にしてほしいお世話をしっかりしてあげることが大切です。

特に天敵はスマホです。

現代人はほとんどの人がスマホ依存症です。

ちょっと暇があると用がなくてもスマホを開いてしまいます。

子どもがわかりやすく泣いてくれる時は
スマホを見ていても気づくでしょうが、
小さなサインを出しているときもあります。

小さな赤ちゃんを見ているのって意外と大変ですが、
一生のうちで今だけしかない大切な時間です。

授乳するときには、
子どもの顔をじーっと見て、
心を通わせてください。

∴情動的利用可能性も大切

敏感性が高い母親ほど赤ちゃんの変化をすぐキャッチできますが、
逆に過保護にもなってしまいます。

子どもが自分で興味を持ってやろうとしていることを、
先回りして母親がやってしまうのは赤ちゃんの自立を妨げます。

情動的利用可能性とは、
安全基地となる人は、
子どもが不安になった時だけ安心を与えてあげる存在でいいということです。

∴何よりも大切なのはスキンシップ

もっといえば、
子どもの心の安定に利用される存在です。

何より大切なのはスキンシップです。

愛着行動とは、
不安な時に他者にくっつくことで安心しようとする行動です。

動物は不思議なもので、
触覚から安心感を得ることができますね。

∴まとめ

子どもとの愛着が形成されていくと、
まず親は物理的安全基地になります。
親に触れること、側にいることで安心できます。

そして、
更に愛着形成が進むと、
心理的安全基地へとなっていきます。

心理的安全基地になると、
親が側にいなくても、
心の中に大好きな親を思い浮かべることができ、
”自分は大丈夫”と世界を探索していけます。

そして、
親がいるから安心できる。
親が自分を大好きだと知っているから、
自分を大好きになれる。

親がわかってくれるから、
色々なことに挑戦していけるようになります。

だから自分は大丈夫。

しっかりとした愛着が形成され、
安全基地を心の中に持っている子どもは、
そんな風に力強く人生を生きていくことができます。

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