子どもの才能を開花させる「根拠のない自信」の育て方

こんにちは、個別指導塾 学びスタジオの奥川悦弘です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
今回は、自信について書きます。
∵子どもの人生を左右するのは、自分を信じ、困難を乗り越える「自信」
「自分はできるんだ」という自信ほど、
子どもの人生を左右するものはありません。
自信が大きい子どもは失敗を恐れませんから、
何ごとにもチャレンジすることができます。
たとえ失敗しても
「自分はできる」と信じていますから、
再び立ち上がり、
努力を重ね、
本当にできる自分に変えてしまうパワーを持っています。
では、
子どもの自信はどこから湧いてくるのでしょうか。
“成功体験の積み重ねが自信を作る”
とよく言われます。
確かに算数のテストで100点を取れば、
子どもの自信は大きくなります。
しかし、
世の中には自分よりも優れた人はごまんといます。
学校で算数が一番でも、
市町村で一番ではないかもしれません。
世界が広がるにつれ、
子どもは優秀な人たちと競うことになります。
人生においてずっと勝ち続けられる人、
成功し続けられる人などそういるものではありません。
勉強、スポーツ、音楽、仕事、
あらゆる分野において成功を勝ち取ることができる人はごくわずかであり、
その陰には「大多数の敗者」が存在します。
誰もが一度や二度、あるいはそれ以上の大きな失敗や挫折を経験するのです。
だからこそ、
子育てで本当に重要なのは、
失敗したり、挫折した時、
「何があっても大丈夫だ!」「自分はできる!」と自分を信じ、
あきらめずに行動を継続していける自信を育むことです。
自信が大きければ、
どんな障害に直面しても、
子どもは自力で乗り越え、
自分らしい人生を突き進んでいくことができるのです。
∵子どもの「根拠のない自信」を育てられるのは親だけ
自信には二つの種類があります。
「根拠のある自信」と「根拠のない自信」です。
根拠のある自信は、
子ども自身の努力で身に付けていくものです。
一方の根拠のない自信は、
親から与えてもらう自信です。
どちらがより大切かと言えば、
「根拠のない自信」です。
なぜなら、
根拠のない自信は、
子どもの人格や行動習慣の形成に大きな影響力を持つからです。
例えば、
臆病で何ごとにも消極的な子どもは、
「失敗するのではないか」「うまくいかなかったらどうしよう」という恐怖で、
一歩が踏み出せないのです。
そのような子どもに成功体験を積ませようと、
やっきになり、
あれこれ習い事に参加させてもうまくいかないことが多いのです。
それどころか、
かえって失敗体験ばかり積ませて、
自信をさらに小さくしてしまうというケースも少なくありません。
この場合、
親が最優先にすべきなのは、
行動を増やすのではなく
「子どもが行動できない原因」を見つけ、
解消してあげることです。
その原因は、
人見知りが激しくて友だちが作れない、
臆病で親から離れられない、
新しい環境を過剰に怖がる……
消極的な行動の根底にあるのは、
たいてい「不安感」です。
この不安を解消する方法は、
不安そのものを克服させようとするのでなく、
前向きな行動の原動力である「根拠のない自信」を大きくすることです。
この「根拠のない自信」は親から与えられるもので、
子どもが努力しても得ることができません。
ですから、
「根拠のない自信」を大きくするには、
まず親が子どもへの接し方を
変えていく努力をすることが必要です。
∵「根拠のない自信」を育てる接し方
具体的には、
以下のように日常生活の中で子どもとの接してみてください。
①スキンシップを増やし、安心感を大きくする
②お手伝いを頼んで、できたら感謝の言葉をかける
③指示、命令言葉をやめ、依頼言葉を増やす
④子どもの自主性を尊重し、見守る
⑤親が一方的に決めず、子どもに選ばせる
⑥小さな達成や成長を見逃さず、ほめる
⑦子どもの良い面や強みをほめる
⑧勉強や習い事がうまくできない時はサポートを与える
最初は一つで構いません。
親が「自信育て」を意識して行動をしてみると、
子どもの表情が明るくなり、
やる気が満ちあふれてくるようになっていきます。
∵子どもをとことん受け入れ、信頼に応えれば自信は育つ
人はだれでも「愛されたい欲求」と「受け入れられたい欲求」を持って生まれてきます。
この二つの欲求が十分に満たされると
「あるがままの自己への自信、つまり根拠のない自信」を得ることができます。
もちろん親であれば我が子を心から愛し、
受け入れていると思います。
ところが、
子どもの方は、
言葉ではわかっていても、
親から愛され受け入れられていると「実感していない」ことが多いです。
この親子の「愛情のすれ違い」が、
子どもの「自信」をぐらつかせる一番の原因です。
自信を強固にするには、
子どもをとことん「受け入れる」ことが必要なのですが、
これが難しいのです。
現代社会では、
子どもの勝手な振る舞いを許すことができない場面が多く起こります。
しかし、
そんな時も親は感情的にならず、
なぜその行動をしてはいけないのか、
冷静に子どもを諭す態度を保つことが大切です。
子どもの甘えやわがままなどの「悪い行動」は、
親の愛情を試す行為です。
自分は本当に親から愛され、受け入れられているのか、
それを確認するためにわざと親を困らせるような行動を起こすのです。
子どもの愛情確認は、
「悪い行動」によって表れることを知ってください。
この時、
「わがままな○○ちゃんは嫌い」「言うこと聞かない子はもう知らない」「勝手にしなさい」
と突き放してしまうと、
子どもの「愛され受け入れられている自信」は減退します。
自信が減退すればするほど、
子どもは親の愛情を確認しようと躍起になります。
その結果、
悪い行動(愛情の確認)は悪化し、
親をさらに困らせていくのです。
そもそも子どもは親を信頼しているからこそ、
親に甘え、親を頼りにし、親にサポートを求めてくるのです。
その気持ちを親が受け止め、
子どもを抱きしめ、背中をさすりながら、
「寂しかったね」「怖かったね」「不安だったね」「ママやパパがついているから大丈夫」「何があってもあなたの味方だよ」と共感してあげれば、
子どもの自信は回復し、
精神は安定します。
∵子どもの成長に応じて、「愛情」を補充する
子どもの自信は「一度愛情を満たせば終わり」というものではありません。
子どもは一日の中でも自信が大きくなったり、不安が大きくなったりします。
親は子どもの出すサインを見極めて、
必要な時には抱きしめ、受け入れ、
何度も愛情を補充してあげてください。
また、
子どもが成長していく中で、
定期的に自信が揺らぐ「時期」があります。
具体的には、
断乳やトイレットトレーニングの時期、
初めて習い事に参加したり、
幼稚園に入園する時期、
小学校や中学校に進学する時期、
受験をする時期などです。
大きな環境の変化に直面する時、
子どもの不安は大きくなり、
普段とは違う「おかしな行動」が表れるようになります。
親の仕事は、
子どもが出す「不安のサイン」を見逃さず「愛情」の補充を行い、
「自信」を大きくしてあげることです。
∵子どもの不安のサイン
以下に子どもが出す「不安のサイン」を紹介します。
幼児期の不安のサイン
①赤ちゃん返り(親にまとわりつく・おねしょ・夜泣き)
②強いおびえ(新しい場所や環境を極端に怖がる)
③強い人見知り(見知らぬ人を極端に怖がる)
④集団になじめない、一人で遊ぶことが多い
⑤目が泳ぐ、目を合わせない、相手の顔を見ない
⑥声が小さい、はっきり言わない
⑦人前で発言しない、目立つ行動を避ける
⑧爪噛み、頻繁なまばたき
児童期の不安のサイン
①赤ちゃん返り(親にまとわりつく・おねしょ)
②親に対して反抗的になる
③「無理」「どうせ」「〜なんか」などネガティブワードが増える
④集中力の欠如、飽きっぽい、注意を無視する
⑤ウソ、言い訳、責任転嫁が増える
⑥人と視線を合わせない、相手の顔を見ない
⑦声が小さい、はっきり言わない
⑧友だちや周囲の人と関わりたがらない
⑨成績が落ちる、学校に行きたがらない
これらのサインが出たら、
「自信」を与えてあげてください。
∵まとめ
子どもが失敗を恐れずにチャレンジを続けられるように、
「何があってもあなたの味方」
「うまくいかなくても大丈夫」
「あなたは大切な存在」と、
子どもを丸ごと受け入れるメッセージを伝え続けてあげてください。
この自信の補充が「根拠のない自信」になり、
子どもの才能を開花させます。