子どもとスマホ
こんにちは、学びスタジオの奥川悦弘です。
ご訪問いただきありがとうございます。
本日は、スマホについて書きます。
∴アルファ世代
アルファ世代(α世代)とは、
一般的に2010年から2024年頃に生まれた世代を指し、
デジタルネイティブ世代とも呼ばれます
スマホやタブレット、ソーシャルメディアなどのデジタルテクノロジーに早くから親しんでいて、
SNSやバーチャル空間に対する親和性が高く、
リアルとバーチャルの境目なく生活しています。
そんな世代の子どもとスマホとの関係について考察します。
∴スマホを使うほど成績が下がっていく
スマホを使う時間が、
1日に2時間、3時間、4時間と増えるにつれて、成績が下がっています。
スマホを使いすぎると、せっかく勉強したことが台なしになってしまいます。
スマホを全く使わない子どもよりも、
1時間未満の子のほうが成績が良いと言う場合があります。
それは、自分の意思で使用時間を1時間未満にコントロールできているからです。
∴なぜ、スマホを使うほど学力が下がるのか
一般的には、
勉強時間を確保できていない
睡眠不足で集中力が下がっている
という理由が思い浮かびますが、
実は、
スマホを含むネット漬けの子どもほど、
思考や創造のほか、
人の気持ちを理解したり、
場の空気を読んだりするような高次なコミュニケーションをつかさどる前頭前野を中心に、
脳が発達していないことがわかりました。
記憶や学習に関わる海馬や、
言葉に関係する領域などにも影響が見られます。
スマホを使っているときは脳があまり活発に動いていません。
それは、
スマホは人間が楽をするための道具ですから、
当然といえば当然です。
使わない機能は、どんどん衰えていきます。
中高生は、
コミュニケーションに関わる前頭前野が特に発達する時期ですが、
スマホで楽をしてしまえば、
その発達が打ち消されてしまう可能性があります。
逆に、
スマホの使用をコントロールできる人の脳は、
勉強や日々のコミュニケーションなどによって活発に動くため、
成績もどんどん上がっていきます。
∴スマホと上手に付き合う
一方、
脳は、悪い習慣を断ち切るだけで、
機能が回復することもわかっています。
つまり、
スマホと上手に付き合えるようになれば、
再び発達していきます。
スマホの良しあしをきちんと理解したうえで、
自分なりに道具として使いこなすことが大切です。
スマホの使用時間の目標は、
1日1時間未満です。
∴スマホと辞書
例えば、
スマホと紙の辞書で、少し難しい単語を調べられるだけ調べたところ、
スマホは6つ、辞書は5つと、スマホのほうが素早く情報を得られました。
ところが、
脳(前頭前野)の活動は逆でした。
スマホで調べた場合は、脳は、安静時つまりボーッとしているときとあまり変化がありませんでした。
これに対して紙の辞書で調べた場合は、脳が活発に働いているうえに、調べた単語の数だけ活動の高まりが見られます。
調べた単語を覚えているかどうかのテストでも、やはり辞書で調べたほうが上でした。
∴スマホを近くに置いて勉強するだけで成績低下
インスタントメッセージの通知も要注意です。
メッセージの着信音が聞こえてきただけで、
「誰からだろう」「すぐに返信しなくては」などと気になって、
そわそわしてしまいます。
勉強中にインスタントメッセージの通知音が鳴ると集中力の低下します。
さらに、
近くにスマホを置いたままの“ながら勉強”している子の学力テストの成績が、していない子よりも低いこと、
インスタントメッセージの使用時間が長いほど、テストの成績が低いいこともわかっています。
∴スマホの使い方を考えることは脳が発達するチャンス
学力を伸ばしたいなら、
勉強中はスマホの電源やメッセージ通知をオフにすること、
さらには、スマホを見えないところに遠ざけておく必要があります。
一方で、
覚えられない英単語だけを抽出して出題してもらえるなど、
スマホにはデジタルならではの便利な機能もあります。
そのため、
役に立つ機能には力を借りつつ、
“ながら勉強”にならないように心がける、
ズルズルと使ってしまうようなアプリがあるなら制限する、
という工夫が求められます。
自分を律するということは、
脳にすごくいい刺激になります。
それを子どもの間に経験しておくことは、
スマホを使いこなせるようになるだけでなく、
思考やコミュニケーションをつかさどる前頭前野が発達するチャンスにもなります。
また、
スマホがなくても困らないという経験を一度でもできていれば、
『スマホの使いすぎで、そろそろまずいな』と気づいたときに、
自分でブレーキを踏めるようになります。
スマホとの付き合いは、
勉強だけでなく、
その先もずっとずっと続いていきます。
スマホに飲み込まれないように使いこなせることが、
生き生き方自分づくりにつながっていくと思います。