傷ついた脳は回復できる

こんにちは、個別指導塾 学びスタジオの奧川悦弘です。
ご訪問いただきありがとうございます。
今回は、脳の回復について書きます。
∵子どもの傷ついた脳は回復できる
子どもの脳がマルトリートメントによって変化してしまったても、
脳には回復力があります。
そのためには、
子どもとのかかわり方が不適切であることに気づき、
マルトリートメントをなくすように家族で心がけて、
愛着形成を行うことが大切です。
この愛着という概念は、
「子どもと特定の人物」との間に形成される強い結びつき(きずな)を指します。
子どもは親の腕に抱かれ、
親と見つめ合い、
微笑み合うことで安心感や信頼感を体で覚えていくものです。
この愛着の感覚が健やかに育つことで、
子どもは成長とともに少しずつ外の世界へと踏み出していけるようになります。
たとえ困難にぶつかっても、
安全な場所に戻ることができる、
いつでもそばに安心できる人がいる……
こうした心の安定が、
子どもの社会性も育んでいく。
親からのマルトリートメントによるストレスで
傷つき(心の傷)、変形した子どもの脳は、
愛着形成で子どもとのコミュニケーションの中から改善していきます。
∵愛着形成を促す3つのコミュニケーション
愛着形成を促す3つのコミュニケーションがあります。
それは、
「繰り返す」
「行動を言葉にする」
「具体的に褒める」です。
❶「繰り返す」
「繰り返す」というのは、
子どもが話しかけてきたことをそのまま繰り返して口にすること。
「折り紙で飛行機を作ったよ」と子どもが話したら、
「本当だ、折り紙で飛行機を作ったんだね」と、
共感していることやしっかり話を聞いていることを示しながら繰り返します。
❷「行動を言葉にする」
「行動を言葉にする」というのは、
実況中継と似ていて、
子どもが何かをしていたらそれを単純に言葉にして声かけをします。
本を読んでいる子どもに「本を読んでいるんだね」と言葉をかけるだけで、
大人が関心を向けていることを示すことができ、
子どもが自分の行動について理解したり注意を向けたりするきっかけにもなります。
❸「具体的に褒める」
「具体的に褒める」というのは、
「片づけができてえらいね」「ルールを守れてえらいね」などと、
適切な望ましい行動を言葉にして褒めることを指します。
これは子どもの行動に対して大人がどこをよいと思ったのかを具体的に伝えることです。
罰や脅しよりも子どものよい行動を増やす効果がありますし、
親子のよい関係が築けるはずです。
∵子どもが主役
この3つのコミュニケーションに共通するのは、
「子どもが会話の主役である」ことを伝え、
子どものリードに大人がついていく関わりであるという点です。
過干渉な親は子どもに命令や指示を出したり否定的な表現を使ってしまうことが多いですが、
それをあらためて、
「主導権は子どもにあり、大人は子どもの行動を理解し受けとめる存在である」と示すと、
子どもとのよりよい関係を深めることができます。
特に誰かから褒められたり共感されることは、
子どもが生きていく上で大きな支えになります。
褒められる、
つまり認められる体験を積み重ねることで、
前向きな気持ちを生んだり、
自己肯定感が育まれるのです。
∵「耳打ち効果」
もう一つのほめ方として、
「耳打ち効果」があります。
これは、
親が第3者との会話の中で子どもを褒めていることを、
さりげなく子どもに聞かせることです。
たとえば、
子どもが同じ部屋にいるときに、
お母さんからお父さんに「今日○○がこんなことをできたんだよ。すごいよね」と褒めているところを聞かせる。
そうすることで、
子どもを直接褒めるよりも自尊心が何倍も成長しやすいのです。
自分のいいところを複数の人に知ってもらえる、
それだけ認められているというのは、
子どもにとってとてもうれしいことです。
∵まとめ
マルトリートメントで傷ついた脳は、
子どもとのコミュニケーションの中から
愛着形成をしながら改善していきます。
そのコミュニケーションは、
子どもが話しかけてきたことを「繰り返す」
子どもの「行動を言葉にする」
子どもの行動を「具体的に褒める」
第3者との会話の中で子どもを褒めていることを子どもに聞かせる「耳打ち効果」